01-01[Fri] Last Year's Day
『あけましておめでとうございます』
「今年もよろしくお願いします」
『任されたよ』
「こちらこそ、じゃないのかよ！ 一方通行かよ！」
家が大好きな女の子の話。
01-02[Sat] First Dream Day
『初夢は正夢』
「オレ、兎にこれは夢だよって言われる夢を見たよ」
『だったら今年の亜狼くんは、全部が全部、夢物語なんだね』
「一年中続くのか！ 一年の計は元旦にあるのか！」
不思議の国のバニーガール。
01-03[Sun] Elopement Day
『わたしは電気羊の夢を見たよ』
「なんと由未はアンドロイドだったのか！」
『だから背丈が伸びないんだね』
「アンドロイドのせいにした！」
『そして人を傷付けることができない』
『そういう人に、わたしはなりたい』
「よく分からないところに着地したな」
不殺の誓い。
01-04[Mon] Stone's Day
『おじいちゃんとお買い物に行ってくるね』
「待て、冷蔵庫の中身を確認しなくていいのか？」
『大丈夫。憶えてるから』
「分からないぞ。オレが勝手に冷蔵庫の中身を貪った可能性もある」
『飲み物くらいしか前科がないよ』
「そこまで言うなら、由未が出ている間にジャーマンポテトを作ってやる」
『玉葱もジャガ芋もソーセージもないけど』
「へえ、そんな材料を使うのか」
『今晩作ってあげるね』
ジャーマンスピリッツ。
01-05[Tue] Cinderella Day
「あっち向いてホイ！」
『いきなりだね』
「やろうぜ」
『ごめんね、フライパンから手が離せないよ』
「最初はグー！ ジャンケンポン！」
『あ、あっち向いてホイっ』
「まだまだ、ジャンケンポン！」
『あ、あいこでしょっ』
「あっち向いてホイ！」
『フライパンが真っ黒焦げに……』
「フライパンは初めから真っ黒だろ」
母子ごっこ。
01-06[Wed] Epiphany
『亜狼くんはＡＢ型だよね』
「ああ。由未はＯ型だったな」
『えーと、ＡＢ型男性とＯ型女性の相性は―――』
「由未の読んでいる雑誌をゴミ箱へシュート！」
『な、なんで……？』
Ａ型とＢ型が悪いのなら、Ｏ型とＡＢ型の結果なんて知れている。
01-07[Thu] Seven Spring Herbs
『夜ご飯、なにがいい？』
「なんでもいい」
『わたしでもいい？』
「いや、由未は食後の入浴後がいい」
『……冗談だよ？』
冷静と情熱の愛。
01-08[Fri] Gambling Day
「さて、今日から転校生だ」
『三学期に現れた気になる男の子だね』
「やあ。学校を案内してくれる？」
『違うクラスの女の子に学校を案内してもらう男の子』
「そのリボン、よく似合ってるよ」
『その一言で女の子は思い出した。ふたりは幼馴染みだったのだ』
「―――借金を片付けたら、戻ってくる」
『うん。そのときは、恋人になってあげるよ―――』
「言葉通りに戻ってきたよ。約束を果たしてくれる？」
『……ごめんなさい』
「え？」
『こんどはあたしの家が、崩壊しちゃったんだ』
「お腹に痣！？ 虐待を受けているのか……！？」
『だから約束は無効。大丈夫、きみにはもっと相応しい人が見つかるよ』
「うるさいな。甘く見るな。極貧生活にも耐えたんだ、おまえの両親だって―――！」
「って遅刻するよ！ 寸劇してる場合じゃねえよ！」
『行ってらっしゃい』
ダークヒーロー。
01-09[Sat] Cold Day
『お砂糖は？』
「要らない」
『ミルクは？』
「要らない」
『珈琲豆は？』
「要らない」
『それはただのお白湯だよ？』
無香料無着色、ただし無味無臭。
01-10[Sun] Coming of Age Day
『亜狼くん、そのシャツ後ろ前だよ』
「ああ、道理で首がチクチクすると思った」
『タグが擦れるからね』
「まあいいや。このままで」
『だ、だめだよ。直さないと』
「別にいいだろう。由未しか見てないんだ」
『……わたししか見ていないから、遠慮なく脱いで着直して？』
「それもそうだな！」
「あれ？ オレ騙された？」
『気のせいだよ』
マイホーム・ダイアログ。
01-11[Mon] Open Happiness
『そして今日からわたしも新学期』
「最後の学年、最後の学期じゃないか」
『うん。頑張る』
「頑張るものでもあるまいに」
『……それもそうだね』
「それとも、勉強が苦手なのか？」
『そんなことないよ』
『九九は完璧』
「勉強が苦手なのかあ！」
好感度プラス。
01-12[Tue] Skiing Day
『亜狼くんは学校に居残ってばかりだね』
「それだとまるでオレの成績が悪いみたいに！」
『違うの？』
「自主的に補習を受けているだけだ」
『あ、転入したばかりだからだね』
「いや、前の学校でも毎日」
『……それはどうして？』
「最初は家に帰りたくなかったからで、いまは学校が好きだから」
「いや、好きと言っても付き合いたいとかそういうのではないぞっ」
『誤解のしようもないよ』
小森霧。
01-13[Wed] St. Kentigern's Day
『勉強をして、外にも出かけて』
「うん？」
『そして料理を残さないなんて、亜狼くんは素晴らしい子だね』
「子供扱いされた！」
『いい子いい子』
「！ な、なっ―――頭を撫でるなっ！」
子供の頃の忘れものシリーズ。
01-14[Thu] Love&Piece&Brave Day
『観たい映画があるの』
「そうか。待ってろ、いますぐ金を工面して」
『お金はあるよ。亜狼くんは、そんな心配しなくていいの』
「それなら、なんの相談だ？」
『……一緒に観てくれる？』
「……ああ。分かった！」
「あれ？ ホラー映画じゃないぞこれ！」
『観る前から分かってなかったの……？』
ひとりで外に出られない制約。
01-15[Fri] Strawberry Day
『朝ご飯できたよ』
「あと五分だけ寝かせて」
『……分かった』
『おはよう。お昼ご飯にする？』
「うん。まあ、オレが悪いよね」
『欠席しちゃったね』
「でもなんで由未まで家に居るの？」
『わたしはズル休み』
「堂々と！」
けろけろけろぴー。
01-16[Sat] Weather Day
「カレンダーないか？」
『あるよ。はい』
「ありがとう」
『……なにしてるの？』
「月毎の風景写真を見ているんだ」
『亜狼くん、風景写真が好きなんだ』
「いや別に。ただカレンダーの写真はとても魅力的に見える」
「満足満足」
『ついでにその壁に貼って欲しい』
「届かないのか」
『届かないのだ』
可憐なカレンダー。
01-17[Sun] West Earthquake Memorial Day
「意外。みかんの筋取らないんだな、由未」
『お行儀が悪い気がして。栄養も豊富だからね』
「由未が女子らしさを放棄するのなら、オレが男子らしくしないと絵的に問題だな」
『よく分からないけど、どうするの？』
「外の皮ごと食べる！」
『だ、だめ！ ぜったい！』
登場率一位の食べもの。
01-18[Mon] First Avalokitesvara
『亜狼くんとのお喋りは楽しいね』
「オレは永遠に亜狼くんとはお喋りできないから分からないよ……」
『独り言すればいいじゃない』
「それはきっと楽しくない！」
『テープに吹き込んで対話』
「そんな寂しい世界は嫌だっ！」
月姫のワルツ。
01-19[Tue] Song Day
「由未は友達とか家に呼ばないのか？」
『え、うん。呼ばないね』
「こんな立派な家なのにそれはもったいない！」
『だったら、こんど呼ぶよ』
「それがいい。オレに遠慮することなんかないんだぞ？」
『……うん。分かった』
『友達の新巻鮭くんが届いたよ』
「友達を食べるのかよ！」
ロクエスエルディーケー。
01-20[Wed] Raven Cinderella
『初夢は、お姫様になる夢だった』
「女の子だね！」
『古今東西あらゆるお姫様を演じては、白馬の王子様と出逢うの』
「あらゆるお姫様とな。大長編じゃないか」
『うん。それでわたしは白馬の王子様に護られたり、助けられたり―――』
『犯されたり、監禁されたり、調教されたりするの』
『でもやっぱり助けてくれるし護ってくれるから、大好きだよ』
「な、なんでオレの目を見て話すのだろう」
女子妄想症候群。
（log1-9.html／2004-01-20）
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キャスト-Arrow&Bow-
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