梅
ログリバーシブル・リバース>オルタナティブ・ダイアログ
Alternative Dialogue
0.Back to Back-to-the-Future

 出逢うより前から好きだったよ、お兄ちゃん。
1.Morining GloryU

 鈴の音が聞こえる。
 目蓋を貫いたのは夏の燐光。
 耳朶を叩いたのは少女の声。
「おはよう、狼さん」
「おはよう、香辛料」
「……香辛料?」
 おはようのハグ。
 鈴の音が鳴り響いた。

「おまえはどうして毎朝オレを起こしてくれるんだ?」
「幼馴染みだからだよ」
「家が学校を挟んで反対方向にあるくせに」
「それでも、元々は同じ家で暮らしていたんだし」

「今日は日曜日だよ」

「だから、遊ぼうよ」
2.

 商店街。
 翡翠の空。真珠の雲。琥珀の太陽。
 ゲームセンター。

 演奏ゲーム。
 ダンスゲーム。
 レースゲーム。
 ガンシューティング。
 対戦格闘。
 麻雀ゲーム。
 クイズゲーム。
 UFOキャッチャー。
 プリントシール。
3.

 ファミリーレストラン。
 オルタナティブ・ダイアログ。
(謹慎中の学校の話とか)
(紙幅によっては、カット)
4.

 そしてオレは彼女の名を呼んだ。
5.

 かくして永遠が破壊される。
 彼女は長峰鈴音の演じた支倉壱子。
 罅割れた世界で、ラスト・ダイアログ。
「ここはどこ?」
「十年後の世界」
「きみはだれ?」
「おまえの、幼馴染みだ」
「わたしのなまえは―――」
「長峰、鈴音」

「―――ほんとうに、それでいいの?」
 「いうこときかなくなるんだよ」
 「いもうとなしで、いきていられる?」
 「そのつみを、いだけるの?」

「できるさ。抱きかかえてみせる」

「ごめんな」
 「おまえの十年を、オレの我が侭に付き合わせて」
 「いままで、ありがとうな」
 「ごめんな……」

 「さよならだ」
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