梅
ログリバーシブル・リバース>エピローグ
Epilogue
0.
1.

 朝、起こしに来る三枝千種。
 妹の生まれ変わり。
 だけど約束したから一緒にいるというのも違う気がする。
 あいたいときに、あえばいい。
 おまえはおまえで。
 オレはオレなのだ。
「大神……」

「末永く、お幸せに」
2.

 昼、屋上の少女。
 春狩冥子。
 セクハラについて、最終講義。
「ところでひとつ質問が」
「なんでも答えてあげるよ」
「どうしてあなたは、自分のことをオレと呼ぶのですか?」

「女の子なのに」
3.

 休み時間、廊下にて。
 真中奈苺。
「これをどうぞ」
「なんだこれは」
「映画のチケットです」

「先輩の交際を、援助してあげましょう」
4.

 放課後、白馬志貴。
「拝啓、白馬の騎士さま」
「……それはもしかして僕のこと?」
「長峰鈴音に振られた気分はどうですか?」
「! 何故それを!」
「草葉の陰で見ていたから」
「この覗き魔!」
「わざとじゃないんだ」

「おまえに見られたくなかった」
「それはどうして……?」
「オレ……おまえのことが好きだったんだ」
「…………え?」
「おまえは長峰のことが好きなんだよな」
「ああ……うん」
「長峰は、オレのことが好きなんだ」
「やっぱりそうだったのか……」
「これが本当の三角関係★」
「それが言いたかっただけじゃないの!?」
「そんなことはないさ」

「こんどの日曜日、空いてるか?」
5.

 早咲きの曼珠沙華。
 背を向ける少女。
 そしてオレは彼女の名を呼んだ。
「長峰―――鈴音」
 振り向いた。
 無垢の瞳。
 彼女は十年の月日を失ったのだ。
 鈴の音は聞こえない。
「一緒に帰ろう」
「―――うん」
「ゲームセンターに寄ろうぜ」
「いいの?」
「いいとも。それで対戦ゲームをやろう」
「えへへ、わたしは強いよ?」

 鈴の音が聞こえる。
 携帯電話のストラップ。
 ふたりは幼馴染みだった。
 そして唯一無二の親友になる。
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