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Sercret Dialogue(4)
08-13[Fri] Left Handed Day 『好き好き好き好き好きっ好き!』 「山よりも高く?」 『はい!』 「海よりも深く?」 『いえ!』 「拒絶された!」 『海は嫌いなのです』 『この地平線より、遠く!』 「距離の問題になっとる!」 オホーツク・クラーク。 08-14[Sat] Patent Day 「有希の強さは町一番だな」 『えへへー』 「森の熊さんも裸足で逃げ出すな」 『森の熊さんは初めから裸足ですよ?』 ミカゼ。 08-15[Sun] Assumption 「明日は登校日なんだ」 『夏休みも、あと半月ですね』 「ああ。だから少しでも早く物語を進めないとな」 『物語?』 「オレは彼女を救うことができるだろうか?」 『天城先輩……』 『宿題は自分の手でやらせた方がいいと思いますよ?』 「有希は言葉の裏を読む天才児だな!」 天才はしかし表を見ない。 08-17[Tue] Pineapple Day 『物語を進めましょう』 「舞台は孤児院を兼ねた教会」 『異国ではよくあることです』 「収容人数は?」 『七人の子供と、神父とシスターですね』 「それはそれなら、商店街の花屋は」 『時給五百円です』 「そうか……」 「有希、意外と不器用だもんなあ」 『先輩、私の年齢忘れてません?』 侵略する少女と嘘の庭。 08-18[Wed] Rice Day 『零歳のときに拾われたので、だから私の両親は神父とシスターなんです』 「秘密という苗字は、だから、自分でも分からないという意味を孕んでいるのか」 『いえ、それは語呂の良さから適当に名乗っているだけですが』 「オレの推理はことごとく外れるな!」 『それでも血縁がないのは真実で、それはつまり―――』 『挨拶抜きで嫁に迎えられるというメリットが!』 「見習いたいほどポジティブシンキング!」 みなしごハッチ。 08-19[Thu] Motorbike Day 「お邪魔します!」 『黒板消し落とし!』 「元々髪は白いから無問題!」 『そして侵略するは教会のバージンロード!』 「お父さんをオレにください!」 『それは冗談なのか間違えなのか!』 「シスターをオレにください!」 『それは由未ちゃんのことなのか修道女のことなのか!』 「秘密有希をオレにください―――!」 「勢いで言ってしまった!」 『プロポーズより先に親に挨拶されました……』 ゴッド・ディーヴァ。 08-20[Fri] Signaling Day 「教会の奥には、二階建ての孤児院」 『一階が食堂その他で、二階に六つの部屋があります』 「有希の部屋は?」 『そこの暖炉です』 「虐待児童!?」 『冗談です。二階に上がって、手前の左が私の部屋です』 「上がってもいい?」 『泊まってもいいですよ』 「そこまで多くは望まない!」 「布団と卓袱台と木刀しかない……」 『寝相が悪いものですから』 三畳間。 08-21[Sat] Fountain Day 「やあ仔猫ちゃん!」 『先輩……』 「リボンなんて付けて、可愛らしいね!」 『初めて褒められました』 「連れて帰って飼いたいくらいだぜ!」 『……嫌です』 『この子は私の友達です!』 「黒猫を飼うのは自由なんだな」 金色の闇。 08-22[Sun] Assumption Memorial Day 『お茶飲みますか?』 「オレには牛乳に見えるのだが」 『小中学生の飲み物と言えば牛乳でしょう』 「ああ、それは頷こう」 『やった、先輩との共通項が増えるのは嬉しいです!』 「問題は舐めるように飲む有希の仕草くらいのものだな」 『これはもちろん冗談ですってば』 ミルククラウンの王子様。 08-23[Mon] Typhoon Day 「有希には物欲がないのか?」 『ええ。町は私の、箱庭ですから』 「オレには欲しい物が腐るほどある」 『腐らせてしまえば要らなくなるのでは?』 「それは妙案! だが却下だ!」 狼と猫。 08-24[Tue] Eruption Day 「プールに行こうぜ!」 『却下です』 「付き合いのいい有希がついに断った!」 『溜まった水は嫌いなのです』 「ペットボトルに入った水とかも?」 『いえ、それは大丈夫ですけど』 「猫としての特性は関係ないのか……」 『そんな真剣に悩まれましても』 カナヅチ。 08-25[Wed] Summer Christmas 「迷わずの森にて!」 『森の熊さんに出遭いました!』 「うおお! 足払い! 石の投擲!」 『流石先輩、熊相手に三十秒も戦うとは』 「見てないで手伝ってくれ!」 『およそ年下の女の子に言うとは思えない発言ですにゃー』 『私だってそれなりに怖いんですよ?』 「一撃も喰らわずに追い払ったあとで言われても」 震える足。 08-26[Thu] Rainbow Bridge Day 『子供の素朴な疑問シリーズ、ラスト三本!』 「いつも通り適当に答えるとしよう」 『どうして戦争はなくならないの?』 「いや、なくなるよ」 『なくなるんですか?』 「いまはまだ、オレたちは子供なんだ」 『一万年しか生きていないですからね』 「よりよい環境を作ったとき、あるいは新人類が生まれたとき、歴史は変わるよ」 『復讐が生むのは快楽だけで、暴力は暴力しか呼ばないという話です』 「そして悪いのは戦争という現象そのもので、どちらがより悪いかという議論には」 「意味もなければ価値もないということを知るべきだと思うんだ、すごい長文!」 『そしておよそ学校を半壊させた人が言うとは思えない台詞でした』 エルフェンリート。 08-27[Fri] Tiger Day 「雨か」 『傘、貸しますよ』 「ありがとう。洗って返すよ」 『ビニール傘を洗われましても』 レイニング・ダイアログ。 08-28[Sat] Violin Day 『てるてるぼうずができました』 「よし。首吊りに処そうか」 『それは見た目に悪いです』 「可哀想と言わない有希は大人だ」 『両手首を縛って吊りましょう!』 「それは見た目に悪くないのか?」 手なし娘。 08-29[Sun] John the Baptist Day 『今日は楽しい夏祭り!』 「金魚すくいで永久機関を発動させる秘密有希!」 『射的で必中の精神コマンドを発動させる天城亜狼!』 「じいさんと一緒にイカ焼き屋を開いていた月日由未!」 『神父とシスターによるエビ焼き屋との勝負やいかに!』 「次回、フードファイター列伝ファイブ!」 『犯人はこの中に居ない―――!』 全員の身の潔白を証明する新ジャンルミステリ。 08-30[Mon] Happy Sunshine Day 「有希は宿題終わったのか?」 『ええ。あとは今日と明日の日記だけです』 「宿題に日記があるのか!」 『箒星学園では毎年ありましたよ』 「となると、由未も去年は書いていたのか」 『きっと創作料理のレシピで埋め尽くされていたことでしょう』 「料理人は舌で語らないのだな」 『味わって飲み下す為にある器官ですからね』 「有希の日記は毎日が外出!」 『それって当たり前じゃないんですか?』 吾輩は猫である。 08-31[Tue] Vegetable Day 『そして夏休みの終わり』 「その夜に見た夢は月日由未が妄想であるという妄想」 『天城先輩―――』 「結末は黒猫を肩に乗せた女の子」 『―――先輩のことが、大好きです』 「出会い頭の告白に、オレは言った」 「猫を肩に乗せたまま歩いてる!」 『第一声がそれですかっ!』 大阪さん弁。 09-05[Sun] Clean Call Day 「有希がオレの妄想だったらどうしよう!」 『それを本人に相談しないでくださいよ』 「でもだって、それは例えば復讐劇のラストバトル」 『観客はなく、私は誰も居ない空間にしか存在していない』 「警察官にも長峰葉平にも会わなかった秘密有希」 『対話のすべてが嘘ならば、好意のすべても説明がつく』 『とはいえ、舞台を駆け回った私を妄想にするのは不可能でしょう』 「爆発的な行動力が秘密有希の魅力なのだな」 まよいマイマイ。 09-11[Sat] Telephone Booth Day 『長峰の屋敷』 「琥珀色中学校」 『箒星学園』 「琥珀町商店街」 『烏山教会』 「オレはこの町の形を知ってゆく」 『そしてこの町を知り尽くした私の、最後の場所』 『地平線の向こうへ、行きませんか?』 「そこに愛があるのなら」 ロンダルキア。 (log1-16.html/2004-09-11) /コルローグ-Healing Planet-へ |
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