梅
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Dark Side Monologue(1)
2002-12-15[Sun]
世界はなにを言っても本当になる。
優しくも残酷な世界、儚くも悠久の世界。
少なくも無限の世界、醜くも美しい世界。
ただ世界を見るきみの心が移るだけのこと。
2002-12-18[Wed]
過去より未来の方が優れているとは限らない。
いまのきみより昔のきみの方が正しかったのかもしれない。
過去を馬鹿にするきみの方が愚かなのかもしれないよ。
2002-12-20[Fri]
言葉じゃ言い表せないなんて言い訳だ。
そのとき感じた衝撃を、正しく再現して伝えてよ。
そのための映画、そのための小説。
きみの世界を見せてくれる?
2002-12-23[Mon]
サディストという最悪。
愉悦と悪意のバランスが割に合わない。
きみに他人を暴く権利があるのか。
より強い暴力に耐えられるのかよ。
脆いからサディストを騙るだけのきみなら、それは最悪だ。
2002-12-26[Thu]
褒められて伸びるものを長所。
叩かれて伸びるものを短所。
成長しないものを急所と言い張ることにした。
2002-12-31[Tue]
心像風景を作品に移して、映された世界観をこの眼に捉えたいんだ。
きみは一瞬だけ他人と繋がることができる。
2003-01-05[Sun]
スウィッチ式に生きるより恒常的に生きていたい。
一分の隙もなく、旅の恥をかき捨てないように。
見せられない作品なんて書き捨てないように。
2003-01-08[Wed]
心は身体を活かす為にある機能のひとつ。
欲望のままに身体を犠牲にするのは愚かしいこと。
たとえば、楽しいから徹夜するとか。
気分が乗っている内に書き上げるとか、馬鹿みたい。
2003-01-17[Fri]
自惚れてしまえば、それは才能ではなくなる。
終わってしまった才能は見るに堪えないよ。
2003-01-24[Fri]
自分のクローンと同居することをシミュレート。
折り合いはつけられると思う。
特に、きょうだいと長く付き合った人なら。
2003-01-29[Wed]
部屋にインテリアとしての性能を求めるのは程々にしたい。
あくまで部屋は人のもので、物のものではないはずだ。
愛着を持って乗っ取られるだなんて、それはそれで幸せだろうけれど。
2003-02-02[Sun]
小説は料理によく似ていると思う。
作る手間暇と食べる時間の割合とか、
食べ終えたら価値がなくなるという消耗品であることとか、
栄養になってやがて身体の一部分になるところとか。
天才料理人は食材を選ばないという話です。
2003-02-10[Mon]
腹が減っては戦はできぬ。
それならおまえらもう飯喰うな。
2003-02-15[Sat]
パンがなければケーキを食べればいいじゃない。
小首を傾げる人形姫の、なんて愛らしい言葉だろう。
ないものはないと諦めて、代用品で我慢する健気なお姫様。
悲劇にも誤解にも興味はないけれど、彼女の言葉はただただ綺麗だ。
2003-02-17[Mon]
個性が欲しければ馬鹿の振りをすればいいのに。
相手より常に低いレベルを騙れば、それは傷付かないアイデンティティになる。
井の中の蛙だったなんて、きみは体感したくないんでしょ?
2003-02-23[Sun]
異国の情報を多方面から得られないのはとても怖い。
この道はテレビの向こうに繋がっていない。
2003-02-26[Wed]
海のない土地に育って、プールに行くこと幾千夜。
きみは四角い海に満足した。
原典に触れなければ、偽物だって上出来だ。
本物の魅力を体感して、同じ意見を保てるかどうかは分からないけれど。
2003-03-01[Sat]
自分の職業に対する不満を、他の職業を持つ人に言うのは反則だ。
きみの職業は誰かの憧れかもしれない。
忙殺されている社会人は大学生に憧れているかもしれない。
飢えている高校生は世間体の悪いフリーターに憧れているかもしれない。
あらゆる職業は、その夢を守ることが最低限の仕事なのかもしれないよ。
2003-03-02[Sun]
平均は異端に憧れ、異端は平均に憧れる。
それはつまり、平均を測るときはその初めから異端は弾かれているという話です。
2003-03-16[Sun]
あの子は人の悪口を言うから嫌い。
先に言った方が負けるとは限らない。
(mono1.html/2003-03-16)


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